劉備は、これまで考えられてきた君子とは違うタイプであり、かつて中国にいないような人だと、私は思っています。最大の非常識者であるがゆえ、あの時代の強大な孫権や曹操といった権力者に屈せず、生き延びていくことができた。それを観取したゆえに、諸葛孔明は、劉備の下につくことを選んだのかもしれません。(『三国志読本宮城谷昌光