「これらの人びとは非常に従順で、平和的であります」と、コロンブススペイン国王と王妃に書き送った。「陛下に誓って申し上げますが、世界中でこれほど善良な民族は見あたらないほどです。彼らは隣人を自分と同じように愛し、その話しぶりはつねにやさしく穏やかで、微笑が耐えません。それに、彼らが裸だというのはたしかですが、その態度は礼儀正しく、非のうちどころがないのです」
 当然こうした事柄は、未開のしるしではないにしても、弱さのあらわれとして受けとられ、廉直なヨーロッパ人たるコロンブスは、確信をもって、「これらの人びとが働き、耕し、必要なすべてのことをやり、われわれのやり方に従う」ようにしむけるべきだと考えた。
(『わが魂を聖地に埋めよ アメリカ・インディアン闘争史』ディー・ブラウン:鈴木主税訳)

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