蜂には紫外線が見えるそうです。彼らは花の蜜を嗅ぎ当てるのではなく、見つけるそうです。花の外から蜜の色が見えるというのです。蜂に見えている世界は私たちが見ている世界とは違うでしょう。可視光線、可聴音域を超える生物には同じ世界が違って見え、聞こえるのです。
 私たちは自分の目で見たものは、そのものの真実の姿だと思ってしまいます。
 しかし対象物は、液体である水が固体(氷)や気体(水蒸気)にもなるように、その時々の条件や私たちの識別能力によって、さまざまに姿を変えています。同じ物を同時に見るときでさえ、その人の視力などの能力や立場、潜在意識、固定観念、先入観、嗜好などによって見えるものが違ってきます。人はそれぞれに見ているもの、見えているものが違うのです。対象物には私たちが考えるような「たった一つの真実の姿」などはなく、あなたや私の目にどう映っているかだけなのです。
(『実践 生き残りのディーリング 変わりゆく市場に適応するための100のアプローチ矢口新

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