まず第一に、経済が大きくなるのに伴って企業も大規模化し、組織も複雑になり、人も増えた。その結果として、内務官僚型の人材が輩出されてきた。一時期、社長室、企画室などといった内部の調整をする部門があたかもその会社の中枢であり、エリートであるとみなされる風潮があった。ここにおいては、現場第一線で利益を上げる者、またコストを削減する者よりも大規模組織の上に乗って各部門の利害を調整していく、上司のQ&Aに適切に答えられる、資料の作成がうまい、会議の進行がうまいといったコーディネーターが評価された。調整能力が重視され、調整型社員がエリートであるとの認識が組織に蔓延したのである。(『
スーパーサラリーマンは社外をめざす』
西山昭彦)