紀元前後に仏教内に革新的運動が起きた。「大乗仏教」の運動である。「大乗」(マハーヤーナ)とは、大きな乗物を意味する。この新しい運動に属する者たちは、みずからの仏教を「大乗」と呼び、それまでの保守的な仏教を「小乗」(ヒーナヤーナ)と呼んだ。「ヒーナ」とは「小さい」よりもむしろ「劣る」を意味する。具体的には部派仏教を指していた。(『最澄と空海 日本仏教思想の誕生立川武蔵

最澄空海