私は、ようやく潔白の身となった。私と家族にとって松本サリン事件が起きてからの1年間は、短いようでやはり長いものだった。あの夜、突然、平穏な生活が破られ、妻が意識不明の重体となり、私は犯人扱いされ、どん底の苦しみを味わった。おそらく、この体験はどんなにことばを尽くしても人にはわかってもらないだろう。私も、これまでは世にある冤罪はひと事だと思っていた。今は、条件さえそろえば、いつでも無実の罪が着せられるものだということが生身でわかる。(『「疑惑」は晴れようとも 松本サリン事件の犯人とされた私』河野義行)

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