養老●その点、僕が注目するのは北海道です。
中標津(なかしべつ)へ行ったら似たようなことをやっていましてね、町長が家屋をできるだけ街に集めてくるというプランを建てていました。公共投資を考えると、家を僻地(へきち)に造ったら無駄だからです。いまの日本は一種悪平等で、僻地にも、ガス、水道、道路を惹かなければならない。だったら、住民は街に集まってくれたほうがいい。そこから畑に出ていけばいいわけで、そうすれば集中のメリットが生じます。(『
本質を見抜く力 環境・食料・エネルギー』
養老孟司、
竹村公太郎)