和則は、ひた走りに走った。
 追いついた。峯島が、ぎょっとした顔で振り返った。
 和則は、文化包丁の柄に両手を添えた。
 体当たりした。手応えがあった。峯島が悲鳴をあげて、前にのめった。和則も、いっしょに倒れ込んでいた。
(『友だちが怖い ドキュメント・ノベル『いじめ』』南英男)