そういうわけでセバスチャン・カステリオンもまた、あの決定的な瞬間に、自分自身の影以外にはひとりの援軍もなく、大義のためにたたかう文筆家にそなわっている奪うことのできない力――動揺することを知らぬ魂の不屈な良心のほかには、なにひとつ身につけていなかった。(『ツヴァイク全集17 権力とたたかう良心 カルヴァンとたたかうカステリオン』ツヴァイク:高杉一郎訳)