これで震度3のわけがない。身の危険を感じて机の下に潜った。
 隣のデスクは机を押さえ、踏ん張って立っている。というより、揺れのすさまじさに足がすくみ、その場から動けずにいた。女性の同僚は顔色を失い、床にへたりこんだ。不思議なことに誰も叫び声をあげない。「人間は本当の恐怖を感じると言葉を失うのだ」と思った。
(『河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙』河北新報社)

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