一体、ロシアではどのような教育が行われているのでしょうか?
私自身の経験をお話しましょう。(中略)
試験の形式ですが、筆記試験はほとんどありません(レポートはある)。口頭試験(ウースナ)がメインです(ロシアの初等・中等教育も、数学や作文以外は、ウースナが中心)。
どのような試験かというと、例えば、歴史であれば「日米が開戦にいたるまでの経緯を話しなさい」といったようなこと。日本とアメリカが戦争にいたるまでのプロセスを、全部覚えてロシア語で話す必要があるのです。しかも質問が山ほどある。
試験の前に、100問くらいの質問を書いたリストが公表されます。そして、当日は一人一人教室に入り、裏返しになっている質問が書かれた紙を(くじ引きのように)取ります。そして、その内容を話さなければなりません。
要するに、本の内容を1冊丸々覚えなければ試験に通らないのです(科目は山ほどある)。そのため、留年するロシア人や外国人もたくさんいました。
(『隷属国家日本の岐路 今度は中国の天領になるのか?』北野幸伯)