ルネサンス期のイタリア、スペイン帝国、ルイ14世のフランスからネーデルランド連邦共和国、大英帝国、独立初期のアメリカにいたるまで、一国の浮沈のカギを握るのは政治の責任と誠実な会計だった。よい会計慣行が政府の基盤を安定させ、商業と社会不安を活性化するのに対し、不透明な会計とそれに伴う責任の欠如が金融の混乱、金融犯罪、社会不安を招いてきたことは、何度なく歴史が証明している。(『帳簿の世界史』ジェイコブ・ソール:村井章子訳)