江戸時代の「身分制」の特徴とは、違う身分間のことというより、むしろ同一身分の内側にこそ、より厳しい階級差があったことなのである。武士という身分の内部には厳然たる階級差が存在し、農民の内部にも、町人の内部にもそれぞれ階級差が見られた。そういう意味で、江戸時代は「総差別」の社会だといえるのである。(大石)『身分差別社会の真実』斎藤洋一、大石慎三郎