天皇陛下を救ったのはマッカーサーである。それも統合参謀本部のように、武装解除に使って、後は切り捨てようなどという、さもしい根性から出たのではない。敗戦国の元首を犯罪人として断罪するなどということは、武人としての彼にはできなかった。そんなことをすれば後日、日本人が必ず怨恨をもつことを、この老将軍は理解していた。
(『日本永久占領 日米関係、隠された真実片岡鉄哉〈『さらば吉田茂 虚構なき戦後政治史』増訂〉)

西鋭夫日本近代史