ともかくも、
 ――様式(モード)に順(したが)え。
 ということが、私が濃厚に接した昭和30年前後の公募展での一般的傾向だった。
 そんな時期に、棟方志功の諸作品を見ることで、どんなに救われたかわからない。
(『北のまほろば 街道をゆく 41司馬遼太郎