阪神・淡路大震災から5周年目にあたった、2000年1月17日の新聞各紙は大々的に
震災特集を行いました。どの新聞をみても、特集記事のキーワードは被災者の「悲しみ」で貫かれていた。あるいは、震災の被災者が「今どういう生活を送っているか」という報道も、溢れています。こうした視線もたしかに大切ではあります。しかし、震災の教訓として日本人にとって、とりわけ「社会の公器」と自称し「公」を担う日本のマスコミにとって、最も大事なことは、言うまでもなく今後の防災をどうするのかという点にあったはずです。(『
日本の「敵」』
中西輝政)