ゲルハルト・フライは、フェルマーの最終定理の真偽が、谷山=志村予想が証明できるかどうかにかかっているというドラマティックな結論を導いたのである。つまり、もしも谷山=志村予想が証明できれば、自動的にフェルマーの最終定理を証明したことになるのだ。こうして、この100年間ではじめて、難攻不落の城に攻め入る道が見えたかに思われた。フライが言うには、フェルマーの最終定理を証明するために乗り越えなければならないハードルは、谷山=志村予想を証明することだけだというのだから。(『フェルマーの最終定理』サイモン・シン:青木薫訳)
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