私たちの生命は、あたかも、大海の水を手でかこっているようなものです。そして、これを「私だ」と称しているのです。
 なるほど、自分の手でかこっているから、私の水だと言ってもいいでしょう。
 しかし、水そのものから見れば、これは大海の水です。
 手のかこいを解けば、中の水はそのまま大海の水に帰りますが、手でかこっている間も、それは常に大海の水と交流しています。
 これを交流させないでいれば、中の水は腐ってしまうでしょう。
 心の目で見れば、手でかこっていても、手を放したあとも、大海に水には少しも変わりがないということです。
(『氣の呼吸法 全身に酸素を送り治癒力を高める』藤平光一)

呼吸