佐藤●しかし、ここで言っておきたいのは給与のもらいすぎはたしかに問題ではるのですが、本当に問題なのは、その甘い蜜を一部の人間だけが吸っているのではなく、
外務省の場合、下の下にまで、隅々にまでそれが行き渡っているいう構造ですよ。これが外務省の凄みというか、犯罪的な部分だと思うんです。というのも、一部の人間だけが蜜を吸っているのなら、かならず下克上や内部告発という動きが起きて、それなりの自浄作用が生まれる可能性があります。しかし、外務省すべての人間が上から下まで甘い蜜を吸える構造になっているからこそ、そうしたことは起きない。完全に「一家一門」の意識ができあがっている、一種の犯罪組織だと言っても過言ではない。(『
正義の正体』
田中森一、
佐藤優)