結局、二つの場合が考えられる。まず、人間の条件を規則で取り囲むことによって、それを安定した体系の中に固定化しようとする場合であるが、この時には、この体系からその不完全さを象徴するすべてのものを排除するために儀礼に頼ることになる。次に、規則には還元できない、絶対的な力の世界に、象徴的に身を置く場合には、もはや本来の意味での人間の《条件》は存在しなくなる。(『儀礼 タブー・呪術・聖なるものJ・カズヌーヴ:宇波彰訳)