その延長線上に、それでもなぜ戦争は起こるのか、それを研究する立場の人たちがいます。これはリアリズム(現実主義)という立場の人たちです。そのリアリズムの範疇(はんちゅう)に地政学というものもあるわけです。
地政学というのは、地理的な概念の上に展開されていく国家の政治軍事戦略を研究する学問で、それぞれの国が何を考えているのか、例えば、国家と国家の、国境線近くには常に活断層と言ってもよい危険が存在する。その活断層はどういう条件のときに活動して戦争をもたらしてきたか、それらを歴史的な具体的事例にもとづいて常に考察し理論的に体系づける、将来を展望する学問です。(『
日本人が知らない地政学が教えるこの国の針路』
菅沼光弘)