「胃ガンと塩分」といえば、私が思い出すのは、十数年前、韓国のソウル大学の有名な外科医であるジム・ポク・キム(金仁福)教授とお目にかかったときのことです。
 教授は私に、
「済陽(わたよう)君、ソウルでは胃ガンが激減したよ。なぜかわかるかい」
 ときかれました。
「わかりません。なぜですか」
 ときくと、答えはこうでした。
「冷蔵庫が普及したから、おかげで、食品が保存できるようになって塩蔵品の摂取がへったからだよ」
(『今あるガンが消えていく食事済陽高穂