統合失調症患者が異常な数のドーパミン受容体を有することが発見されたとよく言われるが、この証拠自体、確かなものというわけではない。正常の人にくらべ、統合失調症患者でドーパミン受容体の数が多いという結論を導き出した研究における差異は、平均値におけるものであり、これに当てはまらない統合失調症患者も多い。また、ほとんどの研究者は、統合失調症でドーパミン受容体の異常があるという証拠をまったく確認できていない。(『精神疾患は脳の病気か? 向精神薬の科学と虚構エリオット・S・ヴァレンスタイン:中塚公子訳)

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