ここで、はっきりいえることは、【場】、すなわち会社とか大学とかいう【枠】が、社会的に集団構成、集団認識に大きな役割をもっているということであって、個人のもつ資格自体は第二の問題となってくるということである。
 この集団認識のあり方は、日本人が自分の属する職場、会社とか官庁、学校などを「ウチの」、相手のそれを「オタクの」などという表現を使うことにもあらわれている。
(『タテ社会の人間関係』中根千枝〈なかね・ちえ〉)