よし、つづけよう。15、18、21。
速くてもよいところは速く、100万分の1インチ刻みで知りたいところはゆっくりと、ダイヤルをまわしていく。後ろでマンハッタンがそわそわと体を動かす気配がする。ぼくが片手をあげると、また静かになった。
24。27。そう。ここだ。
どうしてわかるかって?
わかるからわかる。短いときは短い。ただそう感じる。
実のところ、感覚を超えた何かかもしれない。硬い金属の小片が前回よりも髪の毛ひと筋ぶんだけ早く切れこみの部分にふれると、ぼくはそれを感じ、聞き、心で見ることができる。
(『解錠師』スティーヴ・ハミルトン:越前敏弥〈えちぜん・としや〉訳)