89年のバブル崩壊から、10年以上に及ぶ長い平成大不況が続いています。企業の収益は悪化し、不良債権は積み上がり、財政赤字は拡大の一途を辿っています。しかしその間、個人が豊かになったことは、あまり指摘されていません。(中略)
企業収益が悪化し、それでも従業員の賃金が下がらないということは、企業から従業員に大規模な所得移転が行われたことを意味します。企業の富が株主のものだとすれば、株主が損した分だけ、従業員が得をしたということです。
(『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ』橘玲)