本来の意味での
秘密結社は、内部がいくつかの位階に分けられており、その位階の一つ一つに対応した秘儀を有している。結社への入社式(イニシエーション)または加入礼と呼ばれるものは、普通、その結社へ新しく加わる人間が通過しなくてはならない資格試験であり試練を指すが、これを通過して結社のメンバーになった者は、内部のさらに高い位階を、一つずつ進んでいくための秘儀を、いくつも通過しなくてはならない。したがって、秘密結社とは「血縁や地縁の原理によらない任意加入の、位階制に応じた秘儀を伴う目的集団」であると言うことができよう。(『
秘密結社』
綾部恒雄)