「初対面のとき、あんたはおれを殺しかけた」私が言った。
「だが殺さなかった」ルーガーが言った。「きみは私を刑務所送りにするところだった」
「だがそうしなかった」
「では貸し借りはなしだな」ルーガーが言った。
(『灰色の嵐ロバート・B・パーカー:加賀山卓朗訳)