われわれは小氷河期から二重の教訓を学ぶことができる。ひとつは、気候の変動はゆっくりと穏やかに起こるわけではないということだ。ある時代から別の時代に突如として変化する。その原因は不明であり、人間にはその進路を変えることはとうていできない。ふたつ目は、気候は人類の歴史を左右するということである。その影響力は大きく、ときにはそれが決定的な要因になることもある。(『歴史を変えた気候大変動』ブライアン・フェイガン:東郷えりか、桃井緑美子訳)