本物ばかりをありがたかるのは、人間が二流である証拠だ。本物というのはどうも本物ということにあぐらをかいてしまう傾向がある。そういうわけで、私はむしろ、まがいものが本物に似ようとする、哀切な努力を買う。(『我が心はICにあらず』小田嶋隆)