布教インペリアリズムは、不幸な異教徒を力をもって改宗させて救おうとする、人道的な使命感にもなった。自分の文明をおしつけることが、義務だった。日本にきて開国を強要したアメリカ人も、そう考えていた。いまのフランス人のアフリカに対する意見をきくと、この考えがいかに根深いかにおどろかされる。
 説教する人道的な征服者――われわれは、被占領中に、マッカーサー元帥にその俤を感じたものだったが……。
(『剣と十字架 ドイツの旅より竹山道雄