フロー状態では、目の前の作業への集中が高まり、それ以外のことはどこかに行ってしまう。行為と意識がひとつになる。時間が飛ぶように過ぎる。自己意識が消え去る。そしてパフォーマンスは天井知らずに高まる。
 この経験が「フロー」と呼ばれるのは、その最中には流れ(フロー)のような感覚を経験するからだ。フロー状態にあると、ひとつの行為や決断が、次の行為や決断へと、やすやすと流れるように切れ目なくつながっていく。フローにある人は、ものすごい勢いで問題解決をおこないつつ、極限のパフォーマンスの川に押し流されていくのだ。
(『超人の秘密 エクストリームスポーツとフロー体験』スティーヴン・コトラー:熊谷玲美訳)