ラグビー日本代表の選手にアドバイスしていたときのことです。彼が「この良い感覚をどうしたら維持できるのでしょう?」と聞いてきたので、私は「良いも悪いも流すことですね」と答えました。
 流すと言ってイメージするのは川や水ではないでしょうか。例えば川の流れは、「この流れがいい」からといって、その一部分を切り取ることはできません。水を留めておこうと流れをせき止めれば、たちまち水は濁って腐っていき、もとの清らかな水とは程遠いものになってしまいます。
 つまり、何かに固執したり執着したりすることは、思考や行動をせき止めていることと同じなのです。
(『小関式 心とカラダのバランス・メソッド小関勲〈こせき・いさお〉)