たしかに数量による認識・表現は「はかる」ことの重要な部分だが、そのすべてではない。マイケル・ポランニーは、言葉にできない知識を「暗黙知」と呼び、その重要性を説いた(『暗黙知の次元 』1966年)。知っている人の顔を無数の顔のなかから見分けることができるとか、水泳やスキーの技術などがその例である。(『〈はかる〉科学 計・測・量・謀……はかるをめぐる12話』阪上孝〈さかがみ・たかし〉、後藤武編著)