一方、当事者がほとんど鬼籍に入り、中東軍事介入泥沼化で厭戦気分が広がったこともあって、欧州戦線で、ドイツを東側から攻めたソ連兵が、略奪と強姦を繰り返したのに対し、西側から攻めた米兵は、解放者として歓迎され、規律正しく行動したという、従来の第二次大戦「正史」も見直され始めた。ソ連軍同様、米軍も略奪に加え、ドイツ人女性を強姦しながら進軍していたことなど、これまで米国でタブーとされてきた、米兵の狼藉(ろうぜき)ぶりを明らかにする書籍が、次々と刊行されたのだ。(『
日本人が知らない最先端の「世界史」』
福井義高)