彼と話をしたイスラム教徒は「
ラーマクリシュナはイスラム教の聖者だ」と言う。クリスチャンは、「ラーマクリシュナはキリスト教の聖人だ」と言う。ヒンドゥー教のなかの各派の信者たちはみな、「ラーマクリシュナは私と同じ宗派の大覚者(パラマハンサ)だ」と言う。そして、それぞれに自分の信仰を深め、浄めていった。古今東西、こんな“宗教家”があっただろうか? 私は聞いたことがない(仏教についていえば、インドでは仏教はヒンドゥー教の一派とみなされている)。(『
インドの光 聖ラーマクリシュナの生涯』
田中嫺玉)