江戸では、トイレの汚水は下水に流さなかった。すべて溜めていたのだ。その処理権利を購入した者が汚水を汲み取り、農家に売った。意外なほどの利潤が上がったそうだ。つまり江戸時代の日本は、世界初の完全有機・無農薬リサイクル農法を完成させていたのだ。
 一方、生活用水等の通常下水道も、途中、何度も自然柵で濾過(ろか)し、最終的に飲み水と同じくらいの純度で綺麗にして川に返していた。これを取り締まるのに下水奉行までいたわけである。
 同じ時代、欧州の貴族たちは壷で用を足し、壷が一杯になるとそれを窓から道路に捨て、通りに豚を放ち汚物を食べさせるという処理だった。下水や汚物処理の文化さえなかったのだ。そのため、コレラ等の疫病発生が常態化していた。
(『マインドコントロール2 今そこにある情報汚染池田整治