では事件の本質とは何か。それは警察組織そのものと関連している。単なる警察官の非行問題ではすまされないのではないか。国政の場で審議するなら、中曽根内閣には3人の警察官出身者が閣僚にいる。後藤田官房長官は警察庁長官、秦野法務大臣は警視総監、山本自治大臣は大阪府警本部長。警察OBが国政にたずさわることが悪いとはいえない。だが政治的中立を標榜しつづける警察官が、辞めると同時に旗色を鮮明にし、政治の中央に座る。その結果、必然的に警察は政治腐敗にアンタッチャブルにならざるを得ない。
(『警官汚職』読売新聞大阪社会部)