ゴルギアスは、間主観性が錯覚だということに気づいただけではなかった。彼は、他者の心が実際には知ることができず、感覚を通して推測することができるだけなのだから、それらは存在していないのかもしれないという結論に達した。結局のところ、実際には、ほかの人間の心を見ることも、それに触れることも、その重さをはかることもできない。私たちが実際に観察できるのは、動く体、話す口、歪む顔だけである。このような理由から、ゴルギアスはいまも、多くの学者から、世界で最初の唯我論者――哲学的理由から、ほかの心の存在そのものを否定する者――とみなされている。(『ヒトはなぜ神を信じるのか 信仰する本能』ジェシー・ベリング:鈴木光太郎訳)
科学と宗教