(ルドルフ・)オットーによれば、ヌーメン的なものの第一の特色は、それが神秘的だという点にある。そこには合理的な要素の混入もありうるが、ヌーメン的なものが常に【神秘的なもの】として示されることに変りはない。そして確かに、人間は規則の全体によってよく規定された人間の条件の中で、おのれを確立するに至らないとするならば、それは、絶対的安定性という理想を不可能にするすべてのものによって、人間はおのれから脱出するということなのである。そこで、不安を呼び起こすものの象徴は、神秘的なものとして感じられる。われわれはそれを《ヌーメン的なもの》と呼ぶことができる。(『儀礼 タブー・呪術・聖なるものJ・カズヌーヴ:宇波彰訳)