時間の矢の問題は、従来から熱力学第二法則と関連して論じられてきた。熱力学第二法則はエントロピーの増大法則ともよばれ、孤立系のエントロピーは増大することを示している。エントロピーが増大すると無秩序の方向に向かう。だからこの世界は、秩序だった状態から、より無秩序な方向に向かい、最終的には熱的死に向かうと予言されてきた。(『時間の本質をさぐる 宇宙論的展開』松田卓也、二間瀬敏史)
時間論
時間論
したがってエントロピー増大の法則は、秩序は無秩序へと移る傾向があるのに対して、無秩序はそのままで変化しない、ということに等しくなる。結論は絶対的なものではなく、非常に確率が高いというだけであるが、この確率は圧倒的に高いものである。無秩序化の傾向の方が勝るというのに賭ける方が安全というものであろう。(『冷蔵庫と宇宙 エントロピーから見た科学の地平』マーティン・ゴールドスタイン、インゲ・F・ゴールドスタイン:米沢富美子、米沢ルミ子、森弘之訳)
生物体というものがはなはだ不思議にみえるのは、急速に崩壊してもはや自分の力では動けない「平衡」の状態になることを免れているからです。(『生命とは何か 物理的にみた生細胞』シュレーディンガー:岡小天、鎮目恭夫訳)
エントロピー
エントロピー
シャノンの情報理論によって、情報と不確実性のあいだに橋が架けられた。情報とエントロピーのあいだに、情報とカオスのあいだにも……。(『インフォメーション 情報技術の人類史』ジェイムズ・グリック:楡井浩一訳)
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