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 その際、かき消された戦勝国としての連合国の存在と、占領軍としてのアメリカ合衆国の存在は、日本の憲法体系からは隠されたままとなった。むしろアメリカの存在について語ること自体がタブー視され、憲法外の議論であるばかりか、違憲であるとさえ言われるようになった。実態として日本の国家体制の根幹を形成するものとして確立された日米安全保障条約は、しかしそのまま憲法の枠の外に存在するものとされた。憲法体制と安保体制という二つの国家体制の柱が、お互いを十分に意識しつつ、相互に無視しあうような「表」と「裏」の関係を形成する状態が生まれた。(『集団的自衛権の思想史 憲法九条と日米安保篠田英朗〈しのだ・ひであき〉)
 憲法学者は、日本社会において絶大な権力を誇っている。憲法学者の書いた基本書を信奉するのでなければ、司法試験に受からない。それどころか公務員試験ですら通らない。学界のみならず、法曹界、官僚機構、そして政界にも絶大な影響力を誇るのが憲法学者である。
 しかもその憲法学者たちのコミュニティは、他の学科と比べても際立って東大法学部を頂点とするピラミッド型の権力構造が顕著だ。たとえば2015年安保法制をめぐっては、多くの国際政治学者や国際法学者が合憲と考えた。その一方で、多数の憲法学者が違憲論を展開したが、中心的な役割を担ったのは東大法学部出身の憲法学者たちであった。違憲とは言えない、という立場をとった少数の憲法学者は、ことごとく非東大系の憲法学者であった。
(『ほんとうの憲法 戦後日本憲法学批判』篠田英朗〈しのだ・ひであき〉)