中世のあいだ、学問教会によって厳しく監督され、上流階級の一員でも、聖職者にならないかぎりは無学になりがちだった。
 ルネッサンス初期の商人階級の台頭によって、学問を奨励するような雰囲気が作り出され、印刷機の発明がそれを助けた。
(『黒体と量子猫 ワンダフルな物理史ジェニファー・ウーレット:尾之上俊彦、飯泉恵美子、福田実訳)

科学
 私たちのほとんどはとても保守的です。君たちは、その〔保守的という〕言葉がどういう意味であるのかを、知っていますね。「保守する」とはどういうことかを知っていますね――保つ、守るのです。私たちのほとんどは、〔尊敬されるよう〕体裁よくしていたいのです。それで、正しいことをやりたいし、正しい行ないに従いたいのです――それは、とても深く入るなら分るでしょうが、恐れの表示です。なぜまちがえていけないのでしょうか。なぜ見出さないのでしょうか。しかし。それている人はいつも、「私は正しいことをしなければならない。体裁よく見えなければならない。本当のありのままの私を公に知らせてはならない」と考えています。こういう人は基本的に、根源的に恐れています。野心を持っている人は本当は怯えた人物です。そして怯えている人は、どんな愛をも持ちません。どんな同情も持ちません。彼は壁の向こうに監禁された人物に似ています。私たちが若いうちに、このことを理解すること、恐れを理解することが、とても重要です。私を服従させるのは、恐れです。しかし、私たちはそれについて話し合い、ともに推理し、ともに議論し、考えることができるなら、そのとき私は、頼まれたことを理解して、できるかもしれません。しかし、私が君に怯えているからといって、私が理解しないことをやるよう私に強制すること、強いることは、まちがった教育でしょう。(『智恵からの創造 条件付けの教育を超えてJ・クリシュナムルティ:藤仲孝司、横山信英、三木治子訳)
 アンベードカルは厳しく同胞に迫った。「失った権利は、簒奪者に嘆願したり、かれらの良心に訴えたりすることによっては決して取り戻すことはできない。それを可能にするのは容赦ない戦いのみである」と。(『アンベードカルの生涯ダナンジャイ・キール山際素男訳)
 今、世界的に見ると農業というのは先進国ほど発展しているんです。フランスしかり、アメリカしかり、カナダしかり、オーストラリアしかり、ニュージーランドしかりです。
 日本の農業が弱いというのは私に言わせると円が強過ぎるせいなのです。円が強過ぎるがゆえに外国の農産物が安く買えて競争力がなくなってしまったのです。(中略)また円が強過ぎるがゆえに外国米がどんどん入ってきます。円が弱くなれば農業は回復する。農業が回復するということは経済学的にどういうことかっていうと、日本人が中国の農地を売って、日本の農地を買い戻すということなのです。
(『藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義藤巻健史
 天才とは、自分が陥った環境から自身を自由にし、それを乗り越えていく者のことです。(1928年)『白い炎 クリシュナムルティ初期トーク集J・クリシュナムルティ:大野純一訳
 性差についても見ておくことにしましょう。自閉症は、男の子に多く見られます。その比率は男児4に対して女児1の割合で出現していると一般的にいわれています。カナーが自閉症の報告をしてから10年後にカナー自身によって、この比率が確立されました。男児の場合は軽度の自閉症児が多くいます。反対に女児の場合、ほとどが重度です。数は男児よりも多くありませんが重い症状を患います。しかし重度の自閉症の男の子の人数を見てみると、実は女の子の比率とほぼ同じになります。(『自閉症の子どもたち 心は本当に閉ざされているのか酒木保
 時間は体重の1/4乗に比例するのである。
 体重が増えると時間は長くなる。ただし1/4乗というのは平方根の平方根だから、体重が16倍になると時間が2倍になるという計算で、体重が16倍なら時間も16倍という単純な比例とは違い、体重の増え方に比べれば時間の長くなり方はずっとゆるやかだ。
 この1/4乗則は、時間がかかわっているいろいろな現象に非常にひろくあてはまる。たとえば動物の一生にかかわるものでは、寿命をはじめとして、おとなのサイズに成長するまでの時間、性的に成熟するのに要する時間、赤ん坊が母親の胎内に留まっている時間など、すべてこの1/4乗則にしたがう。
 日常の活動の時間も、やはり体重の1/4乗に比例する。息をする時間間隔、腸が1回じわっと蠕動(ぜんどう)する時間、血が体内を一巡する時間、体外から入った異物をふたたび体外へと除去する時間、タンパク質が合成されてから壊されるまでの時間、等々。
(『ゾウの時間 ネズミの時間 サイズの生物学本川達雄
 私は「大根役者のように振る舞え」といっています。
 大根役者の演技は、ちょっと大げさです。しかしメッセージは明確です。一方名優と呼ばれる人の演技は、抑えた表現をします。そのほうが自然に見えますし、表現があいまいな分、観客は自分のことと重ね合わせて感情移入できるのです。
 ところがカウンセリングでは(とくにその最初の部分では)、名優より大根役者の演技のほうが、有効なのです。だからカウンセラーもはじめは、少々大げさな「大根役者的演技」から技術を磨いてください。
(『目からウロコのカウンセリング革命 メッセージコントロールという発想下園壮太
 西欧には、数学的真理は数学者が創造したものなのか、それともすでに存在していたものが彼らによって暴かれただけなのか、という論争が昔からある。ラマヌジャンは紛れもなく後者の陣営に属していた。数字とその数学的な関係式は宇宙の成りたちを知るための重要な手がかりだ、と彼は考えていた。新しい定理が発見されるたびに、底知れぬ無限の断片がひとつずつ明らかにされてゆく、と。従って「神についての思索を表現しない方程式は僕にとって無価値である」と友人に語ったときの彼は別に愚かだったわけでも、巫山戯(ふざけ)ていたのでも、洒落(しゃれ)気があったわけでもなかったのである。(『無限の天才 夭逝の数学者・ラマヌジャンロバート・カニーゲル田中靖夫訳)
 の価値観の筆頭は「卑怯を憎む」だった。が常に私の喧嘩を制止したのに比べ、父は喧嘩を教材として卑怯を教えた。
 私が妹をぶんなぐると、母は頭ごなしに私を叱りつけたが、父はしばらくしてから、「男が女をなぐるのは理由の如何(いかん)を問わず卑怯だ」とか「大きい者が小さい者をなぐるのは卑怯だ」などと諭した。兄と庭先で喧嘩となり、カッとなった私がそばの棒切れをつかんだ時は、「喧嘩で武器を手にするのは文句なしの卑怯だ」と静かに言った。卑怯とは、生きるに値しない、というほどの重さがあった。学校でのいじめを報告すると、「大勢で一人をやっつけるのはこの上ない卑怯だ」とか「弱い者がいじめられていたら身を挺してでも助けろ。見て見ぬふりをするのは卑怯だ」と言った。
 小学校5年生の時、市会議員の息子でガキ大将のKが、ささいなことで貧しい家庭のひ弱なTを殴った。直ちに私がKにおどりかかって引きずり倒した、と報告した時など、父は相好を崩して喜び、「よし、弱い者を救ったんだな」と私の頭を何度もなでてくれた。
(『祖国とは国語藤原正彦
 右脳が左脳にくらべて情緒的に不安定な傾向があることは、かなり前からよく知られている。左脳に卒中を起こした患者は、不安や抑うつにおちいったり、回復の見込みについて気をもむことが多い。これは左脳が損傷を受けたために右脳が優性になり、あらゆることに悩むようになったからだと思われる。この反対に右脳に損傷を受けた人は、自分の困った立場にまるで無頓着な傾向がある。左脳はあまり動揺しないのだ。(『脳のなかの幽霊V・S・ラマチャンドラン、サンドラ・ブレイクスリー:山下篤子訳)

脳科学脳血管障害
 第三に、国の会計のあり方の問題である。そもそもわが国政府は憲法違反を犯し、法律に反した財政運営を行っている。憲法第83条は「国の財政を処理する権限は国会の議決に基いて、これを行使しなければならない」と謳っている。
 しかし、国の一般会計予算から特別会計、特殊法人などへ年間約30兆円も投資されており、この財務については現実には国会の与(あずか)り知らぬところとなっている。特別会計における“公共事業”などの事業予算・箇所付けについても国会を素通りして決定されているのである。
(『日本が自滅する日 「官制経済体制」が国民のお金を食い尽くす!石井紘基
プロテスタンティズムの倫理」ことウェーバーの思想の源泉は、ルター、カルヴィン、バクスターなどの16、17世紀の宗教思想家たちの著作にあるが、彼はその解釈の中心に「天職」の概念を据えた。天職とは人生における基本的な務めであり、定められた努力をする選ばれた領域であり、そしてそれを決定したのは、ルターらによれば、神である。スラッカーたちに往々にして欠けているもの、私の息子に欠けていたと思えるものは、まさにこの天職なのだ。そしてスラッカーという概念と同じように、天職という概念も比較的最近の文化的発明である。ウェーバーが着目したように、それは、いにしえの時代やカトリックの神学には存在せず、宗教改革の産物なのである。
 天職という概念の新しさは、人間の生涯の仕事を「個人の道徳的活動がとりうる最高次の形態」に変えたところにある。
(『働かない 「怠けもの」と呼ばれた人たちトム・ルッツ:小澤英実、篠儀直子訳)

マックス・ウェーバー
 貨幣取引では、貨幣を受け取る側が何らかの社会的劣等感を経験する。お客様は神様で、上司は常に正しく、あなたは常に間違っている側にいる。自分の物品や労働力を売って生計を立てることには、隷属がついてまわる。(『ギャンブルトレーダー ポーカーで分かる相場と金融の心理学アーロン・ブラウン:櫻井祐子訳)
法律など蜘蛛の巣のようなものだ――弱者は搦(から)め取られるが、強者は引っかからない」(『メービウスの環ロバート・ラドラム:山本光伸訳)