宮崎●サンガの下部構造を考える上で、もう一つ重要なポイントは、こんな虫のいい要求を受け容れてくれる世間が近辺に存在していることです。

佐々木●だからお寺というのは、必ずある程度栄えている町のそばになければならなかったんです。飢餓に喘いでいる地方や人里離れた山奥なんかにあったら、托鉢で食べていけなくなる。要するに、余剰の富がある場所でなければ仏教は絶対に生きていけないんですね。

(『ごまかさない仏教 仏・法・僧から問い直す佐々木閑〈ささき・しずか〉、宮崎哲弥

仏教