脳はナノ単位の大きさのニューロン(神経細胞)で動いている。1ナノは100万分の1ミリである。一つのニューロンは数ナノの大きさで、大脳には1立方ミリに約10万個のニューロンがあるとされる。ニューロン間の伝達時間もまたミクロの世界である。脳の情報伝達の基本はスパイク発火と呼ばれる電気信号である。スパイクは1ミリ秒以下、つまり1000分の1秒より短い時間の反応である。これほど小さい細胞のほんの瞬間的な変化を間接的に測って分かることには限界があり、全体の変化の様子からおおよそを把握するにとどまる。(井上)『21世紀の宗教研究 脳科学・進化生物学と宗教学の接点』井上順孝編、マイケル・ヴィツェル、長谷川眞理子、芦名定道
科学と宗教