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 宇宙ひもは、前に紹介したひも理論の“ひも”と混同してはなりません。まったく無関係と言うわけではありませんが別物です。宇宙ひもは長さをもつ物体ですが、その断面はごく小さいものです。宇宙ひもの存在は、素粒子のいくつかの理論で予言されています。宇宙ひもの周りの時空は平坦です。しかしそれは、ひもの場所に端があるクサビ型の時空が切り取られたような時空で、時空そのものが平坦なのです。つまり円錐のようなものです。紙で大きな円を造り、ピザからスライスを切り出すように、その円からくさび状の部分を切り出すのです。切り取った紙片は捨て、残ったほうの紙の端を糊でくっつけると、円錐ができあがります。これは宇宙ひもが存在する時空を表わしています。(『ホーキング、未来を語る』スティーヴン・ホーキング:佐藤勝彦訳)
 位置が風景のなかの場所であるように、「できごと」は時空のなかにおける場所である。できごととは、ある場所において、ある時間において起こるものだ。それは空間のなかの位置であると同時に、時間のなかの位置である。このようなできごとの世界――われわれが時空と呼ぶ世界――が四次元的であるのは明らかだろう。できごとの「どこ」を指定する三つの座標をもち、「いつ」を指定するための一つの座標をもっているからだ。(『時空の歩き方 時間論・宇宙論の最前線』スティーヴン・ホーキング、キップ・ソーン、リチャード・プライス、イーゴリ・ノヴィコフ、ティモシー・フェリス、アラン・ライトマン:林大訳)
 拘置所、それは国家が在監者を拘禁し、戒護し、厳格な紀律にしたがわせる場所である。在監者の側からいえば、時空にわたっての、あらゆる自由が制限されるところである。囚人に残された最後の自由、生きることまでが制限されているのが死刑確定者なのである。(『死刑囚の記録』加賀乙彦)
 そう、球面上には交わらない直線はないのである。さらにここでは、三角形の内角の和は180度を超える。(『相対論がもたらした時空の奇妙な幾何学 アインシュタインと膨張する宇宙』アミール・D・アクゼル:林一訳)

アインシュタイン
「東洋の宗教や哲学はすべて、宇宙はエネルギーだという考えに基づいています。それが現代の量子物理学によって裏づけられたってわけですよ。それに東洋では、宇宙において人間の心は基本的にひとつだと信じられています。これは、ユングの集合的無意識を想起せずにはいられません。
 仏教徒は、万物は永遠ではないと信じています。ブッダは、この世界の苦しみはすべて、人間がひとつの考えやモノに執着することから生まれると説きました。人はあらゆる執着を捨て、宇宙は流れ、動き、変化するものだという真理をうけいれるべきだとね。仏教の視点からすると、時空とは意識の状態の反映でしかありません。仏教徒は対象をモノとしてではなく、つねに変化していく宇宙の動きと結びついた動態過程とみなしています。彼らは物質をエネルギーとしてとらえているんですよ。量子物理学と同様にね」
(『数学的にありえない』アダム・ファウアー:矢口誠訳)
 ホーキングの物理学の中心には、常に時間と空間の概念が存在する。アインシュタイン以降の物理学では、3つの拡がりをもつ空間と(過去~未来という)一直線の拡がりしかもたない時間をあわせて「時空」と呼ぶことが多い。
 これは、単に時間と空間を一緒にした略語ではなく、その背後には、
「そもそも時間と空間という概念は独立したものではなく、物理的に混じることがある」
 という相対性理論独特の考え方がある。
(『ホーキング 虚時間の宇宙 宇宙の特異点をめぐって』竹内薫)
 ある人にとっては二つの現象(光が電車の両端に着くという現象)が同時に起きており、別の人にとっては、それが別の時刻に起きている。これを「同時性の破れ」と呼ぶ。いかにも奇妙な話だが、光速度不変性が正しければ、そうならざるをえない。(『時空図で理解する相対性理論』和田純夫)

相対性理論