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「山本さん、俺ね、いつも考えるんだけど、俺たち障害者は、生まれながらにして罰を受けているようなもんだってね。だから、罰を受ける場所は、どこだっていいのさ。また刑務所の中で過ごしたっていいんだ」
「馬鹿なこと言うなよ。ここには、自由がないじゃないか」
「確かに、自由はない。でも、不自由もないよ。俺さ、これまでの人生の中で、刑務所が一番暮らしやすかったと思ってるんだ。誕生会やクリスマスもあるし、バレンタインデーにはチョコレートももらえる。それに、黙ってたって、山本さんみたいな人たちが面倒をみてくれるしね。着替えも手伝ってくれるし、入浴の時は、体を洗ってくれて、タオルも絞ってくれる。こんな恵まれた生活は、生まれて以来、初めてだよ。ここは、俺たち障害者、いや、障害者だけじゃなくて、恵まれない人生を送ってきた人間にとっちゃー天国そのものだよ」
(『獄窓記』山本譲司)

累犯障害者
 いつしか彼は、ほんの少しではあるが、笑顔を見せるようになった。そんな折、彼の口からショッキングな言葉が飛び出す。
「ボク、死ぬまでここで暮らしてもいい。外は怖いから」
 世の中に対して、恐怖心を抱いているのだ。外の社会よりも、自由も尊厳もない刑務所のほうが暮らしやすいとは。日本というのは、障害者にとって、そんなにも生きづらない国だったのか。一体この国の福祉は、どうなっているのか。
(『続 獄窓記』山本譲司)

累犯障害者
 私が獄中で出会った受刑者のなかには、いま自分がどこにいて何をしているのかすら全く理解していない障害者がいた。さらには、言葉によるコミュニケーションがほとんどできない、重度の知的障害者もいる。(『累犯障害者』山本譲司)

累犯障害者