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 検閲を警戒すること。しかし忘れないこと──社会においても個々人の生活においてももっとも強力で深層にひそむ検閲は、【自己】検閲です。(『良心の領界』スーザン・ソンタグ)
 フランスの場合、1789年にはじまる大革命以降、カトリック教会の検閲からしだいに開放されてゆく知の営みのなかで、はじめて「信仰」の語彙ではなく、「文明論」あるいは「学問」の語彙により、自由に諸宗教を語ることが可能になった。(『ヨーロッパ文明批判序説 植民地・共和国・オリエンタリズム』工藤庸子〈くどう・ようこ〉)
 だが、これらの見解は歴史的事実に反する。削除された×と○を残さぬ“残酷でスマート”な検閲は、残念ながらアメリカ軍によって発明されたのではなくて、天皇の特高警察によって昭和11年秋ごろから計画され、昭和14年ごろには完成した方法である。アメリカ占領軍は、その天皇制特高の“残酷でスマート”な方法を真似したにすぎない。(『占領下の言論弾圧』松浦総三)

日本近代史
 どの検閲局にも、未決事項(脚本、楽譜、手書きの文書、造形芸術作品、ポスターの下書き)がところ狭しと積みあげられ、あらかじめ設けられていたある支局などでは、積みあげられた山が崩壊し、下敷きとなった課長が窒息死するという事件が起こった。救急隊の到着が間に合わなかったのだ。(『天使の蝶』プリーモ・レーヴィ:関口英子訳)