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この「剽窃事件」は、
三角寛
〈みすみ・かん〉以外のものが
サンカ
について語ると、サンカ及び三角寛から抗議を受けることになるということを世に知らしめる契機となった。サンカとの密約について、サンカ用語を使用する権利は、三角寛ただ一人に帰属するということも、この事件によって、ジャーナリストの間の「不文律」となっていったようである。(『
サンカと三角寛 消えた漂泊民をめぐる謎
』礫川全次)
サンカ
第二次大戦後まもなくのころ、いまだに「
コトリ
」が出没するといわれた。
大正生まれの母はいわなかったが、明治10年代、19世紀末に生まれた祖母が、幼時のわたしにおしえてくれた。
「おそうまで遊んどって、コトリにつれて行かれても知らんで」
と、おどすのだ。
コトリはたそがれどき、軒から軒にこうもりが飛ぶころ、白い服をまとってあらわれる。背はうんとたかい。ふあふあと地上から浮いているのか、足音はしない。手にはビードロのコップをもっていて、そこには赤い液が入っている。祖母からきいた話に、絵本にえがかれたすがたが混淆(こんこう)しているかもしれないが、わたしはコトリをこのように思いうかべた。
(塩見鮮一郎)『
サンカ 幻の漂泊民を探して
』
サンカ
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