星野式ゲルソン療法の基本ポイントは次の5項目です。
1.無塩食
2.油脂類と動物性たんぱく質の制限
3.大量かつ多種類の野菜ジュースの摂取
4.アルコール、カフェイン、タバコ、精製された砂糖、人工的食品添加物(着色料、保存料)などの禁止
5.イモ類、未精白の穀物(玄米、胚芽米、全粒粉)などの炭水化物、豆類、新鮮な野菜や果物(国産)、堅果類(クルミ、ナッツ、アーモンドなど)、海藻類を中心とした食事
(『「ガンが食事で治る」という事実 済陽式ガンの食事療法vs星野式ゲルソン療法』済陽高穂、星野仁彦)
ゲルソン療法/癌
例えばサントリーという会社がある。ここはもともと「鳥井商会」というのから出発して「寿屋」と名前を変え、「赤玉ポートワイン」という名の、甘ったるい似非ワインを売りまくって現在の基盤を作った会社である。戦後にはいってからはトリスを売り、レッドを売って「ウヰスキー」という舶来の酒を世間に広めた。もちろんウヰスキーといっても、こいつらはウヰスキーコンパチの赤酒である。
けれども、この頃まで、サントリーは「人々をしてアルコールを摂取せしめる」という酒屋商売の基本に忠実ではあった。
その酒屋が、生意気にも文化を語り、小市民の哀れな貴族趣味にへつらうようになったのは「サントリーオールド」を発売してからのことだ。
金文字の背表紙が並ぶ書斎、ガウンとマントルピース、パイプ煙草、カットグラスのタンブラーとマホガニーのテーブル、書きかけの小説とペリカンの万年筆、ガウディのバルセロナ、マーラー、アフリカの休日。オールドはそうやって「本物のウヰスキー」になった。焼き印を押した木箱に梱包されて、様子ぶって鎮座するようになった。
それに伴って、鳥井商会は腰に前掛けを垂らして商売をしていた頃のひたむきさを失っていった。その代わりにオペラのホールを作り美術館を建て、ヘミングウェイのスタンスで人に説教を垂れるサントリーという企業になった。
あの太公望のおっさんが言うように、果たして、ウヰスキーは、男の人生を豊かにするものなのだろうか。ウヰスキーが何かを解決するのだろうか。
違う。ウヰスキーは解決を引き延ばすだけだ。あるいは新しいトラブルを起こして、古いトラブルを忘れさせるだけだ。
(『我が心はICにあらず』小田嶋隆)
けれども、この頃まで、サントリーは「人々をしてアルコールを摂取せしめる」という酒屋商売の基本に忠実ではあった。
その酒屋が、生意気にも文化を語り、小市民の哀れな貴族趣味にへつらうようになったのは「サントリーオールド」を発売してからのことだ。
金文字の背表紙が並ぶ書斎、ガウンとマントルピース、パイプ煙草、カットグラスのタンブラーとマホガニーのテーブル、書きかけの小説とペリカンの万年筆、ガウディのバルセロナ、マーラー、アフリカの休日。オールドはそうやって「本物のウヰスキー」になった。焼き印を押した木箱に梱包されて、様子ぶって鎮座するようになった。
それに伴って、鳥井商会は腰に前掛けを垂らして商売をしていた頃のひたむきさを失っていった。その代わりにオペラのホールを作り美術館を建て、ヘミングウェイのスタンスで人に説教を垂れるサントリーという企業になった。
あの太公望のおっさんが言うように、果たして、ウヰスキーは、男の人生を豊かにするものなのだろうか。ウヰスキーが何かを解決するのだろうか。
違う。ウヰスキーは解決を引き延ばすだけだ。あるいは新しいトラブルを起こして、古いトラブルを忘れさせるだけだ。
(『我が心はICにあらず』小田嶋隆)
ホッと安堵して小説家はなみなみと注がれた風船玉グラスをじっと眺めた。さっきいったように今日と今夜は酒だけに集中するつもりである。グラスは変貌していた。瑪瑙(めのう)の髄部だけで作った果実のようなものがそこにある。いや。それに似ていながら、定着もせず、閉じもせず、深奥を含みながら晴ればれとしたものである。太陽は濁って萎(しな)び、広い干潟をわたってくるうちに大半を喪ってしまうが、それでも一条か二条かの光めいたものがまだあるらしく、果実は鮮やかな深紅をキラキラと輝かせた。その赤にはいいようのない深さがたっぷりとあり、暗い核心のあたりに大陸か、密林か、淵かがひそんでいそうである。風のなかを山腹にむかって斜めに、空か谷のほうへかすめ飛ぶ秋の雉子(きじ)の、首、尾、翼、そのどこかにこれとそっくりの一閃があったように思う。この時期に、こういうものを見ると、それだけでくぐもっていたものがほどけ、散乱が消え、何のあてもないのに眼が澄んできそうである。(『ロマネ・コンティ・一九三五年 六つの短篇小説』開高健)
アルコール
アルコール
タバコの勝利には目を見張るものがあるが、その主成分ニコチンは決して世界一普及したドラッグではない。第3位なのだ。アルコールが2位、カフェインが1位である。(『ドラッグは世界をいかに変えたか 依存性物質の社会史』デイヴィッド・T・コートライト)
肉体が活動を停止すると、たまった体液が放出される。死体を扱うのに最適なのは体液がしみ出る前だ。死後硬直が始まると、死体は膨張して大きな黒い水泡になり(ルイジアナの情け容赦ない暑さではそのスピードが速い)、しまいに皮膚がはじける。そのときの匂いは、味になる。わたしは死の味が舌や喉や肺をびっしり覆ってしまうとは知らなかった。煙草を吸ってもだめだった。コーヒーや、思いつく中でもっとも刺激の強いアルコール、ストレートのジンですすいでもだめだった。死体に触れたあと何日間も死を味わわされた。(『あなたに不利な証拠として』ローリー・リン・ドラモンド:駒月雅子訳)
家に上がれと言うのでバラックの中にお邪魔する。台所に腰掛けて改めて話を聞いた。流しの上にはジュース一本と豚肉のペーストの小さな缶詰が三つ。
「朝昼晩とこればかりなのよ。でも肉は身体が温まる。飢えと寒さにはこれが一番」
そして客人にはまずこれを、と自家製のラキヤ(梅で作ったブランデー)を取り出しグラスに注いだ。バルカンのホスピタリティーを凄いと思うのはこういう時だ。貧窮極まる難民の家庭で幾度もてなされたことか。しかし、それが彼らにとっての尊厳なのだ。こういう時はありがたく頂く。一気に煽ると強烈なアルコールが胃壁にぶつかってくるのが分かる。
(『終わらぬ「民族浄化」 セルビア・モンテネグロ』木村元彦)
「朝昼晩とこればかりなのよ。でも肉は身体が温まる。飢えと寒さにはこれが一番」
そして客人にはまずこれを、と自家製のラキヤ(梅で作ったブランデー)を取り出しグラスに注いだ。バルカンのホスピタリティーを凄いと思うのはこういう時だ。貧窮極まる難民の家庭で幾度もてなされたことか。しかし、それが彼らにとっての尊厳なのだ。こういう時はありがたく頂く。一気に煽ると強烈なアルコールが胃壁にぶつかってくるのが分かる。
(『終わらぬ「民族浄化」 セルビア・モンテネグロ』木村元彦)
独裁者ヒトラーの率いるナチス・ドイツが国民の健康に異常なほどに気を配る政権だったことはあまり知られていない。ヒトラーは菜食主義者でアルコールもタバコも嫌悪していた。世界の中で最も行政が力を入れた禁煙運動はナチスが展開したものに他ならなかった。ヒトラー・ユーゲントというナチスの青少年組織では「栄養摂取は個人の問題ではない!」とのスローガンが手帳に記載され、バランスのとれた、健康的な食事をするように士道されていた。(『「リベラル」という病 奇怪すぎる日本型反知性主義』岩田温〈いわた・あつし〉)
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